報道がなされている。
あたかも、金融危機という異常な状況に対応するために、現行の会計基準を
曲げて時価会計を凍結するような誤解を与えているが、そうではない。
本日は、企業会計基準委員会(ASBJ)の動きを説明することにより、
誤解を解いていきたい。
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■ ASBJの最近の動き
時価会計に関する最近のASBJの動きを追ってみます。
2008.10.28
実務対応報告第25号「金融資産の時価の算定に関する実務上の取扱い」を公表
同日
「債券の保有目的区分の変更に関する論点の整理」を公表
2008.11.06
債券の保有目的区分の変更を巡る検討状況についてをリリース
■ 「金融資産の時価の算定に関する実務上の取扱い」について
★ ポイント
ISBJは10月16日に公開草案を公表し、10月23日まで公開草案に対する
コメントを募集しました。
そのコメントを検討し、公表するに至りました。
公表内容で注目すべき点は、時価があっても実際の売買事例が極めて少ない
金融資産などは市場価格を時価とみなせないとしている点です。
このような金融資産については、経営陣の合理的な見積もりに基づく
合理的に算定された価額を時価とするとしています。
これは、現行の会計基準の枠内での取扱いを明確にしたものであり、
時価評価を凍結するというものではありません。
上場株式の時価評価を止めるということではないのです。
★ 経営者の合理的な見積もりとは?
では、経営者の合理的な見積もりに基づく合理的に算定された価額とは
いったい何でしょうか?
実務対応報告では、以下の3点を挙げ、それぞれ採用する場合の留意点を
挙げています。
1.類似の金融資産の市場価格に、利子率、満期日、信用リスク及び
その他の変動要因を調整する方法
2.対象金融資産から発生する将来キャッシュ・フローを割り引いて
現在価値を算定する方法
3.一般に広く普及している理論値モデルまたはプライシング・モデル
(例えば、ブラック・ショールズ・モデル、二項モデル等の
オプション価格モデル)を使用する方法
■ 「債券の保有目的区分の変更に関する論点の整理について
「金融商品に係る会計基準」では、有価証券の保有目的を以下の4つに
分類しています。
1.売買目的有価証券
2.満期保有目的の債券
3.その他有価証券
4.子会社株式及び関連会社株式
「論点整理」では、保有目的の変更について以下の3点を論点として
挙げています。
1.売買目的有価証券からその他有価証券への振替
2.売買目的有価証券から満期保有目的の債券への振替
3.その他有価証券から満期保有目的の債券への振替
現行の会計基準では上記の振替は認められていません。
「論点整理」では、その振替の必要性を検討するとしています。
「論点整理」に関するコメントの募集は11月 4日で終了しています。
それを踏まえて、ASBJは当該論点に関する検討結果を早急に
取りまとめるとしています。
■ まとめ
今日はちょっと難しい話になってしまいましたが、要するにISBJで
検討しているのは時価会計の凍結ではないということです。
ISBJも日本公認会計士協会も、時価会計凍結の議論が出てくることを
警戒しているようです。
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★ 関連記事
バックナンバー(2008.10.17、2008.10.25)参照
★ 参考書籍はこちらから
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