景気悪化で企業が手形などの代わりに現金での決済を増やし、
企業間の信用が急速に収縮している。
企業が取引先の倒産リスクに敏感になっていることが背景で、
製品やサービスを売った後、代金が未回収のままの債権
(売掛債権)を圧縮している。
国内企業の9月末の売掛債権残高は約 177兆円と、ピークだった
2007年末(約 206兆円)に比べ14%減少した。
債権の回収期間を短くする動きもあり、中小企業などの資金繰りが
一段と厳しくなる可能性がある。
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今日のCONTENTS
1.売掛債権残高の状況
2.売掛債権回転期間
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1.売掛債権残高の状況
売掛債権は、売上債権とも呼んだりしますが、ここでは日経新聞の
記載に合わせて、売掛債権と記載します。
日銀の資金循環統計によると、企業の売掛債権・買掛債務の残高は
2003年の 150兆円台から景気回復に伴って増加傾向をたどって
いましたが、2007年以降、減少に転じました。
9月末は3年ぶりの低水準に落ち込みました。
個別の企業をみても、トヨタ自動車は9月末の受取手形・売掛金の
残高がピークの3月末の2兆円強から半年で16%減少。
東芝も2007年末から12%減らしました。
手形の回収期間を短縮するケースも見られます。
コイル大手のスミダコーポレーションの9月末の受取手形・売掛金
の残高は、ピークだった2007年6月末に比べ3割減。
「3カ月ほどの平均回収期間を短縮し、現金収支を改善している」
とのことです。
このほか、単一の取引先から受け取る手形の合計額を減らしたり、
売掛債権を一括して金融機関に転売し、早期に現金化したりする
例もあります。
10月以降は世界的な金融危機の影響が深刻さを増し、大企業でも
CPの発行など市場での資金調達が難しくなりました。
企業は手元資金の確保を急いでおり、12月末の売掛債権残高は
一段と減ると見られます。
企業が売掛債権を圧縮しているのは、取引先の倒産リスクに
警戒を強めているのが原因です。
信用力の低い中小企業は、銀行からの借入が難しくなって
います。さらに、銀行の補完的な役割を果たす企業間信用が
機能しにくくなっているとなれば、中小企業の資金繰りは
一段と厳しくなる見込みです。
2.売掛債権回転期間
売掛債権残高は、売上高の減少に伴い減少する傾向があるので、
売掛債権が減少したということだけでは、企業が資金回収を
早めたかどうか分かりません。
それには、売掛債権の回転期間を調べる必要があります。
売掛債権回転期間は、
売掛債権回転期間 = 平均売掛債権 / 売上高
という式で表すことができます。
この式だと単位は年ですが、年だと分かりにくいので、
通常は12を掛けて単位を月にしたり、365を掛けて日数にしたり
します。
一般的に売掛債権回転期間は短い方がいいと言われており、
景気の良し悪しにかかわらず、企業は回転期間を短くする
努力をしています。
最近の景気悪化に伴い、さらに短くしようとする傾向にある
ということなのでしょう。
ただ、世界的な金融危機の影響が日本に及んだのは10月以降
なので、日銀が統計をとった9月末だと景気悪化の影響は
それほど出ていないと思います。
12月末は売掛債権残高の減少が顕著に表れることが予想されます。
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