2009年04月03日

海外子会社の配当課税撤廃

日本経済新聞 2009.04.02( 1面)

海外子会社からの配当を実質非課税とする税制改正の影響で、
上場企業の2009年3月期の最終損益が押し上げられる。

将来の課税を前提に計上していた引当が不要になり、一時的な
利益が発生するためだ。

引当額はトヨタ自動車が6,000億円、ソニーが900億円にのぼり、
業績が悪化する国際企業に思わぬ埋蔵金が生まれた格好だ。

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今日のCONTENTS

1.税制改正とその影響
2.対象となる主な企業

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1.税制改正とその影響

海外子会社からの配当には海外の税率と日本の税率の差が
課税対象となっていましたが、今回の税制改正により、
海外子会社からの配当がほぼ全額益金不算入となりました。

連結財務諸表への影響としては、現行は、将来の課税に対して
繰延税金負債を計上していましたが、税制改正により、
繰延税金負債を計上する必要がなくなります。

新聞では、引当と記載されていましたが、正確には繰延税金負債
ということになります。
繰延税金負債の取り崩しは、そのまま当期純利益のプラス要因
となり、相当な影響となります。

税制改正とその影響に関しては、バックナンバー
2009.01.16 「外国子会社からの受取配当金、益金不算入へ」
をご参照ください。

その中で、繰延税金負債の取り崩しは来期になりそうだと
述べましたが、3月31に税制改正が公布されたため、
2009年3月期決算に適用されることになりました。


なお、この税制改正は、海外子会社からの配当に課税しない
ことにより、キャッシュを国内投資へ回しやくするという
狙いがあります。

2.対象となる主な企業

海外子会社の配当課税に備えて繰延税金負債を計上している
主な企業

        引当額    最終損益予想
社名   (2008年3月期末) (2009年3月期)
トヨタ     6,075      ▲3,500
ソニー     1,047      ▲1,500
武田薬品     313       1,950
ファナック    185        906
任天堂      117       2,300
キヤノン     104        980
三菱商事     100       4,200


(注)単位:億円 キヤノンは12月期

各社とも全額が取崩対象かどうかわかりませんが、
トヨタは赤字予想額を大幅に上回る繰延税金負債を計上して
います。

既に、税制改正に伴う上方修正を発表した会社もあり、
今後同様の動きが見られることが予想されます。

その際、利益押し上げ分に対応して追加でリストラ損失などを
計上する動きも見られるかもしれません。

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posted by yamataka at 07:55 | Comment(3) | TrackBack(0) | 税務 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
公認会計士協会の公開草案を読む限り、留保利益の12%(費用相当額5%I40%+配当源泉税 仮に10%)を繰延税金負債に計上しなければならないようです。
アメリカであれば源泉税は“0”ですが、その他の国では10〜15%となり、直接間接税額控除額を留保利益から控除して繰延税金負債を計上していた08年度よりも繰延税金負債の計上額は多額となり、逆に会計上悪化する会社が多いのではと思われます。
Posted by 廣嶋精一 at 2009年04月03日 15:36
廣嶋精一 様

遅くなってしまいました。
おっしゃるとおり、配当に源泉税がかかる
場合は、繰延税金負債が増加するものと
思われます。
ただ、アメリカ以外でも、租税条約により
一定の親子会社間の配当については
源泉税が0の国もあるので、繰延税金負債を
取り崩す会社の方が多いのではないかと
思われます。
Posted by yamataka at 2009年04月25日 07:28
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
Posted by 株の投資の初心者 at 2011年11月14日 12:31
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