2009年04月22日

新米国会計基準の波紋1 少数株主持分

日本経済新聞 2009.04.21(14面)

米国会計基準の新ルールが日本企業の間で波紋を広げている。
企業の最終的なもうけである純利益の定義が変わるほか、
子会社株の売却益が計上できなくなり、決算書に大きな影響が
出るからだ。

日本では有力企業の多くが米基準を採用しているだけに、
投資家は注意が必要だ。

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今日のCONTENTS

1.新米国会計基準のP/L
2.採用企業への影響

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1.新米国会計基準のP/L

新米国会計基準で純利益はどう変わるのか。
ポイントは「少数株主利益」の扱いにあります。

少数株主とは、子会社における親会社以外の株主を指します。
従来の純利益は子会社の利益のうちの少数株主の取り分である
少数株主利益を控除して計算していました。
日本基準もこの方式です。

一方、新米国会計基準では、少数株主の取り分も含めて
純利益を計算し、その後で親会社株主に帰属する利益と
少数株主に帰属する利益に分けます。

P/Lのイメージはこんな感じになります。
(用語は多少正確ではありません)

   従来基準
収益      1000
費用      600
税引前利益   400
法人税等   ▲100
少数株主利益 ▲100
純利益     200

   新基準
収益      1000
費用      600
税引前利益   400
法人税等   ▲100
純利益     300
非支配持分利益 100
支配持分利益  200


純利益の定義変更の背景には、米国基準が連結財務諸表を
「誰の立場で作成するか」という根本的な考え方を変更した
ことがあります。

従来は、親会社株主の立場で決算書を作成する「親会社説」を
採っていましたが、新基準は親会社と少数株主の両者の立場
から作成し、連結グループを1つの企業体と見る
「経済的単一体説」を採用しました。

なお、国際会計基準(IFRS)も同様の新ルールを7月から
導入します。
コンバージェンスを進める日本でも、ルール変更は検討課題
として挙がっています。

2.採用企業への影響

この変更に戸惑う声が企業から出ています。
米国に上場している企業などは米国会計基準を採用
していますが、
コマツは2008年4−12月期に少数株主利益を51億円計上しました。
新基準ではそれだけ純利益が押し上げられますが、同社の
経理担当者は「業績は時系列で比較できるように開示すべきだ」
と話しています。

NTTは「補足資料などで新旧二つの数値を出すかもしれない」
と話しています。

投資家側も、惑わされないように、注意が必要です。

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参考書籍

よくわかる米国会計基準と英文財務諸表の実務ガイド

米国財務会計基準の実務

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posted by yamataka at 01:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 連結財務諸表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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