2009年07月01日

相次いだ のれん代一括償却

日本経済新聞 2009.06.27(16面)

買収で話題になった企業が2008年度決算で相次いで巨額の
のれん代償却を迫られた。

ただ、これは買収先の業績悪化などを受け、定額償却予定だった
のれん代を前倒しでまとめて費用計上したものだ。
一時的に業績が悪化したとはいえ、のれん代に限ると将来の
償却負担は軽くなる。

買収先の業績を建て直せば連結全体の利益はその分増える面も
見逃せない。

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今日のCONTENTS

1.のれん一括償却の事例
2.日本基準とIFRS

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1.のれん一括償却の事例

2008年度にのれんを一括償却した主な事例
(一部金額は日経推定、単位億円)

                2008年度  2009年度
社 名    買収した企業   計上額  償却軽減効果
第一三共   ランバクシー・   3,513    180
       ラボラトリーズ
オリンパス  ITXなど      762    100
HOYA   ペンタックス     231     31
スパークス  PMAキャピタル・  135     19
       マネジメント
味の素    アモイ・フード・   128     8
       グループ



HOYAは、2007年に買収したペンタックスの業績不振により、
2009年3月期にのれんを一括償却し、231億円を特別損失に
計上しました。
しかし、2010年3月期の償却負担は31億円軽減される見通し
です。

インドのランバクシー・ラボラトリーズを買収した
第一三共も3,513億円ののれんを一括償却しました。
2,154億円の連結最終赤字に転落しましたが、今後20年近くに
わたり償却負担が年180億円程度減少します。

オリンパスも同様の処理で今期の負担が約100億円減少します。

2.日本基準とIFRS

「のれん」の会計処理については、現在の日本の会計基準と
国際会計基準(IFRS)で異なっています。

現在の日本の会計基準では、「のれん」は無形固定資産に計上し、
20年以内で均等償却することになっています。
ただし、買収した企業の業績が悪化するなどして、のれんの
価値が毀損した場合は減損処理を行なわなければなりません。

一方、IFRSでは償却を行いません。
ただし、のれんの価値が毀損したときに減損処理を行います。

現行の日本基準の場合、のれんはいずれは償却されるので、
のれんの減損は費用の前倒しと考えられます。
それにより、翌期以降の償却負担が減少するのです。

一方、IFRSの場合、のれんは償却しないので、
のれんの減損は高すぎた買収の評価減という性質と考えられます。

コンバージェンスの一環で、日本基準ものれんを償却しないように
なります。
そのときは償却を行わなくなるので利益にプラス影響が出ますが、
企業グループの実態がよくなったわけではないので注意が必要です。

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バックナンバー

2009.06.08 2009年3月期 特損、6年ぶり高水準

参考書籍

国際会計基準IFRS完全ガイド―経営・業務・システムはこう変わる!! (日経BPムック)

図解・イラストによるIFRS国際会計基準入門

なるほど図解 IFRSのしくみ (CK BOOKS)

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posted by yamataka at 00:57 | Comment(2) | TrackBack(0) | 連結財務諸表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
第一三共ののれんの減損により20年間毎年償却が180億円減少する=営業利益が同額増加すると読めますが、国際会計基準とのコンバージェンスにより償却は止まるはずではないでしょうか。
IFRS3号の適用前取得ののれんについての処理と異なるコンバージェンスは考え辛いのですが。
Posted by 廣嶋精一 at 2009年07月01日 10:28
廣嶋様

コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、IFRSが導入されると、のれんの償却はなくなります。
記事内でもそのように記載しています。
20年間毎年償却が180億円減少するというのは、現行の日本基準で償却を続けた場合との
比較になっています。
Posted by yamataka at 2009年07月02日 05:03
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