2009年07月28日

日立、上場5社を完全子会社化

日本経済新聞 2009.07.27( 1面)

日立製作所は日立マクセルなど東証に上場しているグループ5社を
完全子会社化にする。

8月下旬に株式公開買い付け(TOB)を開始し、最大3,000億円を
投じ、それぞれ約5〜7割の出資比率を全額出資へ引き上げる。

日立は2009年3月期に国内製造業では最大となる7,873億円の
連結最終赤字に陥った。
グループ戦略を転換し、上場子会社16社のうち社会インフラなどを
成長が見込める分野の5社を一斉に取り込み、経営再建を急ぐ。

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今日のCONTENTS

1.日立の完全子会社化
2.連結財務諸表への影響

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1.日立の完全子会社化

例によってフライング記事です。
日立は、新聞報道の内容については決定した事実はないと
公表しています。いずれ発表するのでしょう。
以下の内容は、新聞記事に基づいています。

完全子会社にするのは日立マクセルのほか、
日立プラントテクノロジー、日立情報システムズ、
日立ソフトウェアエンジニアリング、日立システムアンドサービス
の計5社。週内に発表するとのことです。

5社に対する日立の出資比率は現在51.2%〜68.1%。
完全子会社化へ一般株主を対象にTOBを実施します。
すべて現金で買い付けた場合、24日の終値ベースで必要な資金は
約2,000億円。実際の買い付け価格は直近の一定期間の平均株価に
プレミアムを加えて決めます。

TOBに応じない少数株主が残った場合は日立株と交換し、
2009年度中に出資比率を100%へ引き上げます。
TOBで日立の出資比率が3分の2を超えていれば、会社法の
規定により少数株主を強制的に株式交換できます。
これにより、5社はいずれも上場廃止にするとのことです。

日立は、上場16社を含む主要約40社を対象に、情報通信や
社会インフラとの関連が深い企業は保有株を買い増し、
低い企業は売却する検討に着手しているとのことです。
経営再建の一環ということなのでしょう。

親子上場に関しては親会社と少数株主との利益相反という
マイナス面が問題視され、最近の流れは子会社の上場廃止です。
少数株主への配慮が必要なため、親会社の方針が浸透しづらい
のは事実です。上場会社としてのプライドもあり、なかなか
親会社の言うことを聞かないケースもあります。

したがって、親会社のコントロールを強化し、機動的な戦略
遂行を可能にするには買い増す企業と売る企業を選別し、
グループ内での上場企業をなくすということになります。
ただし、グループから外れる形の再編には子会社の抵抗も
予想されます。

日立がどのような形で発表するのか、楽しみです。

2.連結財務諸表への影響

新聞記事では、日立の連結決算が赤字なのは薄型テレビや
自動車用機器、半導体などの不振に加え、少数株主持分による
利益の外部流出も大きな要因と記載されています。

少数株主持分による利益の外部流出とはどういうことかというと、
子会社が獲得した利益のうち親会社以外の株主に帰属する部分の
金額(少数株主損益)を控除して当期純利益を算出する
ということです。

完全子会社化により、課題だったグループ外への利益流出にも
歯止めがかかり、連結最終損益の底上げ効果は大きいとも
記載していますが、日立は米国会計基準を採用しており、
同基準の改正に触れる必要があります。

新米国会計基準では、当期純利益は少数株主損益を控除する前の
金額となり、その後で親会社株主に帰属する利益と少数株主に
帰属する利益に分けます。
3月期決算の場合、2010年3月期からの適用になります。

その場合、完全子会社化してもしなくても当期純利益の金額は
変わらないということになります。(ただし、少数株主がいる
場合、新基準適用による影響はあります)

なお、日立は2009年3月期の決算短信で、2010年3月期の業績予想
として、
非支配株主持分控除前利益と当社株主に帰属する当期純利益の
2種類を開示しています。
非支配株主持分控除前利益が新基準による当期純利益、
当社株主に帰属する当期純利益が現行基準による当期純利益
ということになります。

また、用語に関しても少数株主という用語はなくなり、
非支配株主となります。

しばらくは混乱しそうですね。

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バックナンバー

2009.04.22 新米国会計基準の波紋1 少数株主持分

参考書籍

電機 (日経文庫―業界研究シリーズ)

これでわかった!連結決算―「会計の達人」が教える入門の入門 (PHP文庫)

会社の数字の意味を知る技術 (Biz plus α)

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posted by yamataka at 07:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 連結財務諸表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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