2010年04月16日

IAS第16号 有形固定資産

今まで、「国際会計基準(IFRS)の解説1〜10」で
IFRSの総論やフレームワークについて解説してきました。

これからは、不定期に個別論点について解説していきます。
順番は気まぐれ。
まずは有形固定資産からです。

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今日のCONTENTS

1.IAS第16号
2.減価償却費に関する論点

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1.IAS第16号

有形固定資産は、業種に関係なくほとんどの企業が保有している
ものであり、IFRSが適用されると必ずといっていいほど
影響を受ける項目です。

今回は日本基準との違い、どのような影響を受けるかといった
点にしぼって解説します。

まずは、有形固定資産の定義から。
IAS第16号では有形固定資産は以下のように定義されています。

「有形固定資産とは、財貨の生産又は役務の提供に使用する目的、
外部への賃貸目的又は管理目的で企業が保有し、かつ、一会計期間を
超えて使用されると予測される、有形の資産である(IAS 16.6)。」


次に、有形固定資産の取得原価の構成要素を見ていきます。

日本基準と大きく変わるところはありませんが、IFRSでは
「当該資産を取得しなければ発生しなかったであろう借入費用」
が取得原価に含まれる点に注意です。

あとは、「資産除去費用や現状回復費用などの当初見積額」
も取得原価に含まれます。
日本では、「資産除去債務に関する会計基準」が適用になること
から、この点でのIFRSとの差異はほぼなくなります。

2.減価償却費に関する論点

耐用年数

IFRSにおける耐用年数は、
・当該資産が企業によって利用可能であると予想される期間
・企業が当該資産から得られると予想される生産高または
 類似単位数
のいずれかになります。

つまり、企業がその資産を何年使用するつもりなのかによって
耐用年数が決まるのです。

日本では税法の規定による耐用年数をそのまま使用することが
多いと思われますが、IFRSでは税法基準による耐用年数を
無条件で使用することは適切ではないと考えられます。

仮に税法基準による耐用年数を使用する場合は、その合理性を
説明する必要があるのです。
こういったことから、税法用とIFRS用の二重帳簿を持つように
システム対応が必要ではないかと言われています。

減価償却方法

IFRSを適用した場合、定率法の使用が認められるか否かが
論点となります。
定率法はIFRSでも認められている方法なので、直ちに
認められないということにはなりません。

しかしながら、IAS第16号では「減価償却方法は、資産の
将来の経済的便益が企業によって費消されると予測される
パターンを反映するものでなければならない」と規定されて
おり、建物は一般的に定額法が妥当であろうと言われています。
機械については、時の経過とともに機械から得られる
経済的便益が減少するような場合は、定率法が可能と
思われます。

コンポーネントアカウンティング

IFRSでは1つの有形固定資産の構成要素の取得原価が
全体の取得原価と比べて重要な場合は、区別して減価償却を
行う必要があります。
これがコンポーネントアカウンティングと言われているものです。

よく例に出されるのが航空機です。
航空機は、機体、エンジン、座席などから構成されていますが、
それぞれ耐用年数は異なると考えられます。

1つの資産を構成要素に分けて管理していない場合、
IFRSが適用されると構成要素に分けなければならないため、
実務的には相当負担がかかることが予想されます。

有形固定資産をどのように扱うかについて頭を悩ませている
企業は多いのではないでしょうか。

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バックナンバー

2009.01.25 資産除去債務 2011年3月期から強制適用
2009.06.11 資産除去債務 対応急ぐ
2010.03.29 変わる会計変える経営2 資産除去債務
2010.04.14 資産除去債務の合理的な見積もり

参考書籍

完全比較: 国際会計基準と日本基準

早分かりIFRS (PHPビジネス新書)

実務Q&A資産除去債務と環境債務―資産除去債務会計への対応

Q&A資産除去債務の実務ガイド

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posted by yamataka at 03:35 | Comment(1) | TrackBack(0) | 国際会計基準 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
よろしく御願いします。
結合した会社の有形固定資産の公正価値が
上昇した場合、
固定資産XXXのれんXXXで処理するそうですが、下落した場合はのれんを増やすわけには
いかないから、固定資産評価損で処理するのですか。しかし結合した会社の固定資産を
どの単位レベルで評価するかやっかいな
問題ですね。
Posted by ごんべえ at 2010年04月23日 13:41
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