2010年10月14日

揺れる企業会計 IFRS導入の課題2

日本経済新聞 2010.10.04( 1面)

「揺れる企業会計」の2回目。

今日は企業が戸惑っているという話です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今日のCONTENTS

1.原則主義
2.その他の戸惑い

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.原則主義

IFRS導入により、出荷基準が認められなくなるのではないか
とか、定率法が認められなくなるのではないかとか言われてますが、
私は、IFRS導入で最も変わるのは、「細則主義」から
「原則主義」に考え方が変わることだと思います。

細則主義というのは、日本や米国で現行採用されている
考え方で、会計基準で詳細な規定を設ける考え方です。
これに対して原則主義は、会計処理の原理・原則のみを示し、
詳細な規定を設けない考え方です。
IFRSでは原則主義を採っています。

原則主義は取引の実態で判断するため、細則主義の欠点である
ルール回避を防ぐ効果があると言われています。
一方、会計処理を決めるにあたり、監査人とのすり合わせにかかる
工数が増大するとか企業間の比較可能性が損なわれるといった
点も指摘されています。

原則主義をいかにうまく使うかが経理マンの腕の見せ所だと
思います。
導入当初は戸惑うかもしれませんが、こういう理由で
この会計処理を選択したいんだという根拠をいかに示し、
いかに監査人を納得させるかがポイントです。
それができれば、やりやすくなるのではないでしょうか。

企業グループ内の業績評価を同じ物差しでできるようになるのも
IFRS導入のメリットです。

2.その他の戸惑い

その他、日経新聞には以下のことが記載されていました。

(1)「決算の最終日が事実上、3月29日になる」
これは、物品販売の売上計上において、現状日本では一般的な
計上基準である出荷基準が認められなくなることを意味しています。
支配の移転が収益認識の要件の一つになっており、出荷した時点
では支配が移転したとみなされないケースが多いと考えられる
ためです。顧客が受け取った時点、または検収を行った時点で
認識することになるかと思います。
そうすると3月29日に出荷した分までしか期末までに売上を
計上できなくなるであろうという意味です。

これもいろいろな対応方法がありますので、実務的に負荷を
かけない方向で監査人と交渉するのがよいでしょう。

(2)BS重視
IFRS導入によりPL重視、当期純利益重視からBS重視、
包括利益重視に変わると言われていますが、果たして
そうでしょうか?
BS重視、包括利益重視を否定はしませんが、企業努力以外の
ところで変動する包括利益よりも当期純利益の方が重視される
のではないかと思っています。

その他、IFRSはデューデリジェンス会計なので日本に
なじまないとも言われています。

いろいろと戸惑いはあるのでしょうが、会計基準に振り回される
ことなく、冷静に対応する必要があります。
むしろ、自社の経営にとって何が重要なのかを見直すいい機会と
前向きにとらえるべきでしょう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

バックナンバー

2009.08.20 国際会計基準(IFRS)の解説5
2009.08.22 国際会計基準(IFRS)の解説6
2009.10.07 国際会計基準 日本への影響1 包括利益

参考書籍

知らないではすまされない マネジメントのためのIFRS

導入前に知っておくべき IFRSと包括利益の考え方

国際会計基準IFRS完全ガイド2011 (日経BPムック)

★★★
* | ----------------------------------------------------------------
_人_ *   定期購読者の特典多数!   年間購読申込中!!
 Y *      ビジネス情報誌「週刊ダイヤモンド」 *  *
 |         ★最新号が送料無料で購読できます★
 | ----------------------------------------------------------------
http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=1CALDC+33XIIA+DCU+NVP2R



人気ブログランキングに参加しています。
記事が気に入った方は是非クリックをお願いします。
ranking_banner2.gif にほんブログ村 士業ブログ 公認会計士へ

posted by yamataka at 23:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国際会計基準 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。