2012年10月22日

IFRS個別論点1 有形固定資産(IAS第16号)

IFRS個別論点シリーズをスタートしたいと思います。

今まで、IFRS総論については述べてきましたが、各論については触
れていませんでした。IFRSに関する議論がかなりトーンダウンして
いるところではありますが、各論についても触れたいと思います。

まずは有形固定資産から。

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今日のCONTENTS

1.IFRS各論を始めるにあたって
2.有形固定資産(IAS第16号)
3.減価償却方法

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1.IFRS各論を始めるにあたって

日本ではIFRSに関する議論がかなりトーンダウンしているところで
はありますが、まったく無視していいわけではありません。

いずれは何らかの形で導入されるでしょうし、導入がかなり先にな
ったとしてもコンバージェンスは進みます。

今のうちから重要なポイントを押さえておき、導入時に慌てないよ
うにすることが肝要です。

このコーナーでは、IFRSの簡単な解説をしつつ、現行の日本基準と
の差異を押さえ、IFRS対応の留意点などを述べたいと思っています。
なるべく分かりやすくするため、難解な表現は避けたいと思ってい
ます。そのため、正確性が多少損なわれるかもしれませんが、その
点はご容赦を。

2.有形固定資産(IAS第16号)

IFRSでは、有形固定資産はIAS第16号に規定されています。

日本の会計基準や慣行と違うところはいろいろありますが、実務に
影響が大きい以下の3点について解説します。

(1)減価償却方法
(2)少額資産の取り扱い
(3)コンポーネントアカウンティング

3.減価償却方法

有形固定資産の減価償却方法には、定額法、定率法、生産高比例法
などがあり、この点については日本基準もIFRSも変わりません。

ただし、減価償却方法の選択に関しては、日本基準とIFRSでは異な
っています。

IFRSでは、
『使用される減価償却方法は、資産の将来の経済的便益が企業によ
って消費されると予測されるパターンを反映するものでなければな
らない。』と規定されています。

何を言っているのか、よくわからないですね。

工場の機械を例に説明します。
新しい機械を購入するのは、製品を製造して将来利益を得るためで
す。その機械の減価償却方法を決めるにあたり、製造した製品から
毎年平均的に利益を獲得できる場合は定額法、初期に多くの利益を
獲得して利益が逓減する場合は定率法が適切ということになります。

ただし、そんな決め方が現実的にできるのでしょうか。
IFRSは理屈に走りすぎているような気がします。

客観的に定額法と定率法のどちらが正しいと証明することはできな
いので、無理やりにでも理屈をつけることになるのだと思います。

一方、日本では法人税法にしたがって処理を行っている例が多く、
法人税法ではIFRSのような理論はなく、定額法も定率法も認められ
ています(細かい規定は省略)。

一般的には定率法の方が減価償却費の金額が大きくなるので、税務
メリットを考慮して定率法を採用する企業が多い状況です。

欧米では、処理の簡便性もあり、定額法を採用しているケースの方
が多くなっています。このような状況もあり、IFRSを適用すると定
率法が認められなくなるのではないかという懸念もあります。

実際、定率法の妥当性を証明するのは困難であり、IFRS適用に備え
て定率法を定額法に変更する例が出てきています。

IFRSを適用するにあたり、定額法にすべきか、定率法にするかは非
常に悩ましい問題です。これはIFRSを適用する場合、すべての企業
に影響する問題であり、金額も大きく、処理に手間もかかり、シス
テムへの影響もあります。

IFRSの有形固定資産に関する最大の論点と言ってもいいでしょう。

減価償却の話が長くなったので、続きは次回にします。

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参考書籍






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posted by yamataka at 22:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国際会計基準 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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