2012年10月27日

IFRS個別論点1 有形固定資産(その2)

前回は、IFRSに関する有形固定資産の論点のうち、減価償却につい
て説明しました。

今回は、残りの2論点、「少額資産の取り扱い」「コンポーネント
アカウンティング」について説明します。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今日のCONTENTS

1.少額資産の取り扱い
2.コンポーネントアカウンティング

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.少額資産の取り扱い

日本では、税法基準にしたがった処理が会計慣行として定着してい
ます。したがって、まずは法人税法上の取り扱いについて見ていき
ます。

法人税法上、減価償却資産の損金算入については、以下のとおりに
定められています。

(1)少額減価償却資産の取り扱い

取得価額が10万円未満、または、使用可能期間が1年未満の減価償
却資産は、事業の用に供した事業年度に、その資産の取得価額を損
金に算入することが認められています。

(2)一括償却資産について

取得価額が20万円未満の減価償却資産のうち、(1)の適用を受け
ないものについては、3年で均等償却を行います。

(3)その他の減価償却資産

法人税法の定めにしたがい、減価償却を行います。

1年未満かどうかを抜きに金額のみで整理すると、
取得価額が10万円未満 → 一括損金算入
取得価額が10万円以上20万円未満 → 3年間で均等償却
取得価額が20万円以上 → 法人税法の定めに従い減価償却
となります。

実際の会計処理は、法人税法にしたがって資産計上や費用処理を行
う方法と、20万円未満のものを費用処理し、一括償却資産に該当す
るものを申告調整する方法に分かれます。

では、IFRSではどうなっているのでしょうか?

IFRSは原則主義のため、法人税法のような金額の定めはありません。
厳密に適用すると、有形固定資産の定義に該当する場合、金額の多
寡にかかわらず、資産計上しなければならないのかという疑問があ
ります。

こんな対応は実務的に可能でしょうか?

実務的に現状と同じようにしたいのであれば、現状と同じ処理が妥
当である理屈づけを行い、監査人に認めてもらうことが必要になり
ます。ここが経理マンの腕の見せところです。
理屈づけといっても、重要性がないので資産計上しないという理屈
しかないと思います。

2.コンポーネントアカウンティング

IFRSでは、
『ある有形固定資産項目の取得原価の総額に対して重要性のある各
構成部分については、個別に減価償却しなければならない。』
と規定されています。

つまり、一体として使用する有形固定資産であっても、部分的に取
替えを行って使用するなど、重要な構成部分ごとの使用期間が異な
る場合、別々に減価償却を行わなければならないという規定です。

これをコンポーネントアカウンティングと言います。
ただ、例を出さないと分かりにくいですね。

よく出てくる例は、飛行機の機体と座席です。機体と座席では使用
期間が異なるはずなので、別々に減価償却を行うべきだという議論
です。

日本では、法人税法で資産の分類が細かく規定されているので、コ
ンポーネントアカウンティングの影響はそれほど大きくないのでは
ないかと思っています。影響は特定の業種に限られるのではないで
しょうか。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

バックナンバー

2012.10.12 IFRS個別論点1 有形固定資産(IAS第16号)

参考書籍






人気ブログランキングに参加しています。
記事が気に入った方は是非クリックをお願いします。
ranking_banner2.gif にほんブログ村 士業ブログ 公認会計士へ

posted by yamataka at 01:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国際会計基準 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。